
白姫と炎帝の恋
第1章 夢幻
顔にも傷を負い、煌帝国に戻った日の夜だった。
白瑛は夢を見ていた。
白瑛の弟が生まれた日の夢。
「皇子殿下!!姫君!!…皇太后陛下がご出産されました!弟君です!!」
玉艶付きの侍女が、白瑛と、その兄、白蓮、白雄の待つ部屋に飛び込んでくる。
もうすでに待ちくたびれていた三人は、勢いよく立ち上がると、母の部屋へ向かって走る。
「「「母上!!」」」
部屋につくなり三人揃って声をあげる。
「あらあら三人揃って。大きな声を出してはいけませんよ。白龍が起きてしまいます。」
母の腕には、おくるみが抱かれており、その中には、生まれて間もない弟の姿があった。
