
白姫と炎帝の恋
第1章 夢幻
「白龍?…母上、私の弟の名は白龍というのですね?」
まだ生まれたばかりで、顔立ちはよくわからないが、白雄、白蓮、白瑛と同じように、口元のほくろと白い肌を母・玉艶から受け継いでいる。
(これが私の弟……白龍……)
末っ子だった自分にできた弟が、白瑛は嬉しくてたまらなかった。
「白瑛もついに姉上だな。」
長兄、白雄が白瑛の頭を撫でながら言う。
「頑張れよ姉上っ!!」
次兄である白蓮が白瑛の肩を抱く。
「ぅ、うゃあああぁぁぁぁ!!」
親子四人で楽しく笑いあっていると、白龍が泣き出す。
「あらあら、白龍、兄上と姉上にご挨拶?でもあなたは今は眠らなくてはね。」
玉艶が優しく白龍を揺らすと、幼い彼はまたすぐに眠りについた。
その泣き声は、白瑛には、本当に自分たちへの挨拶に聞こえた。
