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白姫と炎帝の恋

第2章 現実

「青舜、すぐに支度をしてください。義父上に謁見します。」

「はっ、」









……拝謁の間。

「どうした白瑛。私になにか用か。」

(…陛下?)

珍しく機嫌の良い義父に、白瑛は一瞬疑問を覚えた。

一国の皇帝として仕方のないことだが、娘を政略結婚に出すときは、紅徳も少々微妙な顔をしていたのだが。

なぜか今は、にこにこと気前よく笑い、白瑛との謁見にも、こうして快く応じている。

「陛下、いつもの事ながら、どうしてまだ若い紅玉姫を政略結婚に!………………………義父上!!どうかご再考を!!」

だらだらと長話をするのは嫌いだ。

一息に言いたいことを言ってしまう。

すると…………拝謁の間にいたものたちが、衛兵から、皇帝陛下までが、けらけらと笑い出したのだ。

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