
白姫と炎帝の恋
第2章 現実
「紅玉姫の婚約が先刻、決まったようです……」
きっといつも通り、何事!、と怒るに決まっている。
「……えぇ!?せ、青舜、一体、お相手はどなたなのですか!?」
(そうそう、きっといつものようにお怒りに……………ってあれ、なんか違うぞ?というか姫様、怒ってはいらっしゃらない?)
青舜は不思議に思う。
さらに相手がジュダルと知れば、白瑛はもっと驚くだろう。
(ここは知らないことにして、皇帝陛下から直接教えていただこう。)
「いえ姫様、それは陛下のお口からお伺いしたほうが確かかと。」
青舜はにっこり笑って言う。
白瑛は溜め息をついた。
「そうですね。……またどうして私ではなく紅玉姫なのか…迷宮攻略者なら、私も彼女も同じだというのに。」
ここになって始めて白瑛は少しの怒りを見せる。
