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あさちゃん

第11章 捕食

その夜

その日は父がいつもより早めに帰ってきていた。
いくら会社の付き合いとは言え、そうそう月に何度も飲み屋に行くことはない。父のお小遣いが底を着いてしまう。休肝日も必要だ。

優や美里の前でもラブラブな両親。我が子の目線も気にせず、目の前でもいちゃつくほど。目にあまる行為に、優は呆れて、部屋に帰っていった。

美里も呆れてリビングを出るが、ふと思った。

美里『あれ…これって何気にチャンス?』

美里は駆け足で優の部屋の前まで来ると、ノックと同時に部屋に入る。

美里「ゆー、入るよー?」

優「…もう入ってるじゃん」

美里「良いじゃん、姉と弟なんだし〜」

優「それで…何か?」

美里「何かとはまたずいぶんな言葉ね〜。アンタの為に、遊びに来てやったのに…」

優「遊ぶって…いじめるの間違いなんじゃ…」

美里「うっさいわね!いじめるって、こ・う?」

優「ん゛ぐぇっ…」

優の背後に回った美里は、おんぶの格好で得意技のスリーパーホールドをかける。

そのまま後ろに引き倒す形で、二人とも床に倒れる。

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