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あさちゃん

第11章 捕食

香織「カラダの関係ねぇ〜…まぁ、普通はあり得ないよね」

美里「…」

香織「ただ、お互いがどう思っているかが重要じゃない?さっきも言ったけど、愛の形は一つじゃない。他人から見たら歪んだ形でも、当人から見たら正しいかも知れない」

美里「同性愛とかもあるし?」

香織「あれだって、一つの形。お互いの想いが形になったら、たまたまそうだったってことでしょう」

美里「確かに」

香織「カラダだけっていうのが引っ掛かるけど…美里がそれでいいと思うなら、間違ってないと思う。少なくとも、美里にとってはね。自分の気持ちに嘘ついたって、仕方なくない?」

香織はそれ以上、何も言わなかった。あとは美里次第。美里のさじ加減一つだった。



帰宅後、美里はあずさのお気に入りの靴が無いことに気付いた。

美里『あ…そう言えば、今日は確か、ゼミコンって言ってたっけ…帰ってこないかもとか…』

リビングに行くと、母にあずさはどうしたかと訊く。どうやら帰って来ないので、夕食は要らないとのことだった。

麻雀デラックスの再放送で、小島武夫プロの四暗刻ツモアガリに見とれている優を眺めながら、美里は段取りを考えていた。

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