あさちゃん
第16章 夏祭り(後編)
前日の総踊りには眼中に無かった優は、昼間から一人でブルーシートの上に寝転がっていた。
この日の花火大会は、繁華街から離れた、湖のある公園で行われる。公園と言ってもその規模は大きく、優達の中学校の持久走大会や、市内の小中学校の写生大会で使用される程の広さがある。
毎年昼過ぎから場所取りが始まるので、比較的近所に住む優達はこれくらいの時間からでも間に合うのだ。
この日も朝から姉二人の『お願い』により、一人で場所取りをしていた。
水辺に近い絶好の場所を押さえた優は、虫除けスプレーと飲食物、競馬ブック&ラジオ短波受信用ラジオの完全装備のもと、のんびりと過ごしていた。
優「どうせ誰も来ないんだから、まだ家でのんびりしときたかった…」
愚痴をこぼしながら、予想紙とにらめっこの優。ごつごつした地べたの感触に嫌気がさした優が起き上がると、目の前には女性が一人、優のブルーシートに腰掛けていた。
優が起き上がったのを微笑みながら見ていた女性は、秋本玲於奈だった。
優「…あの〜…何かご用ですか?」
恐る恐る尋ねる優に、微笑みながら玲於奈は口を開いた。
この日の花火大会は、繁華街から離れた、湖のある公園で行われる。公園と言ってもその規模は大きく、優達の中学校の持久走大会や、市内の小中学校の写生大会で使用される程の広さがある。
毎年昼過ぎから場所取りが始まるので、比較的近所に住む優達はこれくらいの時間からでも間に合うのだ。
この日も朝から姉二人の『お願い』により、一人で場所取りをしていた。
水辺に近い絶好の場所を押さえた優は、虫除けスプレーと飲食物、競馬ブック&ラジオ短波受信用ラジオの完全装備のもと、のんびりと過ごしていた。
優「どうせ誰も来ないんだから、まだ家でのんびりしときたかった…」
愚痴をこぼしながら、予想紙とにらめっこの優。ごつごつした地べたの感触に嫌気がさした優が起き上がると、目の前には女性が一人、優のブルーシートに腰掛けていた。
優が起き上がったのを微笑みながら見ていた女性は、秋本玲於奈だった。
優「…あの〜…何かご用ですか?」
恐る恐る尋ねる優に、微笑みながら玲於奈は口を開いた。