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春先の温かい日。

ボケッとしながら授業にも身が入らず、先生が背を向けていることを良いことに、何気なく視線を周りに移した。

周りは真面目にノートをとる生徒が多いが、居眠りしている生徒や同じ様にボーッとしている生徒もチラホラ。

『あ〜ぁ…ほんと、はよ終わらんかな』

そんなことを思いながら、優は視線を更に移していく。

その時、ふと一人の女子に目がとまった。その娘は優と同じ様に頬杖をつきながら、つまらなそうに授業を受けていた。

周りの女子と比べても色白で、可愛い感じの顔立ち。何より目立つのが、ツインテール。ピンクの髪止め用の輪ゴム（何と表現すればいいかわからないので、以外ピンクの輪ゴム）で、可愛く止まってある。

『あれ？こんな娘、クラスいたっけか？にしても、色白やなぁ…』

優はそんなことを思いながら、その女子を見ていると、その娘と目があった。
一瞬、優はビクッとしたが、その娘は優に微笑んで、手を振った。
優は急に恥ずかしくなり、頬杖を止め、教科書を読むふりをした。

『ヤバい…目があった。変態とか思われたら、どうしよう。うわぁ〜、マズッたな〜』

そう思いながら必死に教科書を読むふり。しかし、元々授業に身が入っていない優には、その色白の女子が気になって仕方ない。

しかも優の勝手な思い込みで、自分の様な人間に女子がニコッと微笑んでくれるなんて…