テキストサイズ

あさちゃん

第6章 疑心暗鬼

良からぬ感情を抱えた女。

あさみのストレートな感情表現に、モヤッとした感情を抱いた。

美里のイタズラ心の、延長線上の『行き過ぎた遊び』を目の当たりにして、大切な弟を思う気持ちを踏みにじられたという感情を抱いた。

そして、自分の気持ちの整理がつかないまま、今日、この二つの感情を抱いてしまった女…あずさ



あずさ自身は、優に対して『大切な弟』という感情があった。

幼い頃、いじめられて泣いてくる優を優しく慰めていたのは、他ならぬあずさだった。

あずさからすれば、『男なんだから泣くな!』とか『泣き顔も面白いなw』と、傷口に塩を塗りつける美里と自分は違う。
他人から見れば単なる姉と弟だが、それ以上の繋がりがある…そう思っていた。

今日のランジェリーショップでの優の反応を楽しんでいたのは、あくまでも『からかう』という程度。

あずさは思う。美里がさっきやったような、『悪質な遊び』とは違う。愛情があるから…私は優の特別なんだと。

しかし、あさみの真っ直ぐな気持ちと比べると…何か後ろめたいような気持ちになる。

どうするべきか…姉として自分の心を押し殺すのか、女として自分の気持ちに正直であるのか

あずさは部屋に戻り、更に悩んでいった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ