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あさちゃん

第2章 二人

その日、優は家に帰っても普段とは違った。理由は勿論、大橋あさみである。

部屋で着替えを終えて、リビングでTVを見ていても、番組に集中して見れていない。ただ単に眺めているだけで、考えているのは今日の学校でのあさみとのことである。

『なんであんな娘が、俺なんかに話しかけて来たんだろう?俺の目がデカイから羨ましいって言ってたけど、それだけの為に話しかけて来るもんかな?』

解決のしようがない疑問を一人で悩んでいると、二人の姉が帰ってきた。

長女で大学一回生のあずさと、次女で高二の美里である。二人とも、優を『姉の特権』とか訳の分からない理由でオモチャのように扱う姉たち。

あずさ「あれ?ゆーちゃん(優のこと:優→優勝のゆう→ゆー)帰ってたの?帰ってたら返事くらいしても良いんじゃない?」

美里「ゆー、あんた帰ってたら『おかえりなさいませ、美人なお姉さま』って一言ぐらいかけらんないの?」

優のことなどお構い無しの言葉を投げつける。

優「あ、うん。おかえり」

美里「『おかえりなさいませ、美人なお姉さま』でしょ?」

と言いながら、優の両方の頬を引っ張る美里。

優「おはえひあはいあへ、ひひんはおへいはは(おかえりなさいませ、美人なお姉さま)」

美里「何々ぃ〜?聞こえないよ〜w」

美里は更に優の頬を引っ張りながら、にやついている。

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