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無口な彼

第1章 よくわからない





「し、篠原?」


俺の呼びかけを無視して、篠原は教室から出て行ってしまった。

ただ一言、“また明日"だけを残して。


え、待って篠原。


キスをしておいて、篠原は颯爽といなくなってしまったのだ。今までの出来事の説明もないまま教室に残された俺は、どうしていいかわからない。


ただ、教室に1人置き去りなのが無性にムカついて


「くっそ!篠原、ざけんな!」


俺はそう叫んだあと、篠原が出ていったドアをしばらく睨んだ。


ふに落なすぎる何かを、胸にグルグルと渦巻かせたまま。


















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