華姫と鮮血の恋
第1章 鮮血
一瞬で、この少女に恋をしたのだ、と気づいた。
この潤んだ瞳で自分を見つめる少女が、なぜだかとても愛おしいのだと。
「、こ、紅覇、さま、私を、抱いて、ください……そうでなくては、私は、私は、」
そして、華衣はポロポロと泣き出す。
「はぁ-……で?お前は、華衣は、何が言いたいの?」
紅覇はため息をつく。
(やっぱ僕、好きな女の子でも、優しくできなぁい。……てか、告白、しよ。僕に告られて嬉しくない女なんていないでしょぉ?)
紅覇はのんきにそんなことを考えている。
いや、のんきに、ではない。
実は、好きだと気づいた瞬間から、華衣がこんなに近くにいる、と考えるだけで緊張してしまっていた。
「こうは、さま?」
はっ、と紅覇は我に返る。