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誘惑~甘美な秘蜜~

第2章 202号室

タカシはエミの言葉に戸惑い、唇を離していくエミの顔を見つめ、言葉に詰まっていた。


「ん?なにそんな顔してんの?」


エミの言葉に、自分がどんな顔をしているか、大体察したタカシは、なんて答えていいかわからなかった。
四年の間付き合っていた彼女と、昨日の夜ケンカ別れをしたばかりなのに、たった数十分程前に初めてあった目の前にいるエミが、ウソだとはわかっていても、彼氏がいないなら、付き合ってみたいと思ってしまった。
ケンカ別れとはいえ、好きで好きでたまらなかった筈なのに、しばらくは誰とも付き合ったりする事もないだろうと、思ってたのに、軽く付き合えると思ったら、こんなに簡単に心が動いてしまうのか?
いろんな事が頭を過る中、エミは、自分の問い掛けに何も返事をしないタカシの息子を少し強く握った。


「痛っ!」


突然の痛みに思わず声を張り上げた。


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