
histoire d'amour eternel
第25章 seasons
1年で、最も空気が澄むこの季節。
冬の空を象徴するかのようにベルトを光らせ堂々と輝くオリオン座。
1人だと寒さで凍えそうな夜でも、2人だと妙に何故か暖かさを感じる。
「俺の事、好き?」
珍しく愛を問う言葉。
問う事はあっても問われる事なんて珍しくて。
少し戸惑いながらも、何故か変な不安感が過る。
「好きだよ。大好き」
包まれる腕の中でちゃんと伝うように言葉を紡ぐ。
「俺も大好き。」
優しく耳元でそっと囁く愛の言葉。
その言葉は心の中へと響き渡る。
だけど
「でもね………」
ゆっくりゆっくり、紡がれた言葉に
大空にスッと流れた流れ星のように
頬に氷のように冷たい涙が伝った。
