
histoire d'amour eternel
第25章 seasons
2人で過ごす時間は季節の流れさえも早めてしまうように
「満開だぁー」
また、桜の花びらが儚く舞う季節。
2人で初めて来たこの場所。
2人で見上げた千本桜の、何とも言えない花びらの雨が降り注ぐ中
2人の“好き”が天へと舞い上がった事
昨日の事のように鮮明に記憶へと遺る。
2人で奏でた愛詞は優しくぶつかり
冬の雪解けと共に優しく舞い
そして、記憶の中へと静かに消える。
「私の事、好き?」
囁くように問う愛の言葉も、返ってくる事もなく
そっと吹く春風に消され、誰の胸にも響かない。
