I'll protect you.
第24章 今と昔
帰宅ラッシュの電車
ギュウギュウ詰めになりながら四人で固まって電車に揺られる。
ちょうど、私達の前の席が二人分空いて私とカナをシン君は座らせてくれた。
ふと、目の前に立っているシン君とコウキ君をチラ見
携帯でゲームをしてるコウキ君と、それを横から茶化すシン君。
これが本当にシン君とコウキ君なのか疑いたくなるくらいかっこよくなった二人
…現に、
周りの他校生とか大学生、OLもみんなこの二人を見てコソコソ話している。
やっぱり、モテるんだなぁ
そんなこと考えているとシン君は、自分の腕時計で時間を確認しながら言った
「ユウの家ってどこ?
もう、暗いし送ってく」
『えっ!?そんな、いいよ!
一人で帰れるから大丈夫!』
本当に申し訳ないし、世の中の女性を敵にまわしそうで怖い…
すると、隣に座っていたカナが私の肩に手を置いた。
「ユウ!送ってもらいなさい!」
『いやいや、カナお兄ちゃん過保護すぎるでしょ。
しかもカナは頭ケガしてるんだよ?
心配だしカナを優先した方がいいと思うの』
すると、コウキ君がはぁーと溜息をついた
「カナは俺のせいでケガしたんだ。
だから俺が責任をもって面倒見るからユウはシンに送ってもらって
その方が俺らも安心だから」
コウキ君がそう言うと、ちょうどコウキ君達が降りる駅についたらしく、二人は電車を降りてしまった。
「「また明日!」」
二人はそう言って私とシン君に手を振って行った。
…ちょっと待って!!
『私もこの駅なんですけどぉぉお!!』
「ハァ!!?」
私とシン君は扉まで走ろうと思い駆け出した途端、ドアが閉まった…
コウキ君とカナに気を取られているうちに、降りることができなかった。
窓から外を見ると、二人は並んでこちらに満面の笑みで手を振っている。
私とシン君はそんな二人が見えなくなるまで呆然と見つめた。