I'll protect you.
第24章 今と昔
『なんかごめんね…』
シン君はさっきまでカナが座っていた席に座り、周りを見渡した。
「暇だから全然大丈夫だよ。
…そんなことより
なんで周りの人達みんなこっちに携帯向けてんの…」
そっか、シン君はずっと立って私達の方を見てたから気付かなかったんだ…
『さっきからこんな感じだよ。
大変だね、シン君』
私がそう言うとシン君は右手で目を覆ってから急に立ち上がった。
「やっぱ、立つわ…
なんか居心地悪いから次の駅で降りよ」
そして、次の駅に着くまでシン君は周りの人達に背を向けた。