I'll protect you.
第24章 今と昔
『ねぇ!シン君!無理に入らなくてもいいんだよ!?
この店、男の子が入るには抵抗あるでしょ!?』
シン君は何も言わず、私の腕を引っ張ったままズカズカと店の中へと入っていき、案内された席に座った。
シン君と向かい合って座る。
メニューをジッと見つめる綺麗な瞳
鼻筋が通っていてシャープな輪郭
良く見たら栗色の髪がしっかりセットしてある
なんか…
少しハーフっぽいかも
近くで見るシン君は、あの頃の面影を少しだけ残していた。
でも、大人になってモデルレベルにカッコよくなったシン君を直視できない…
ヤバイ、鼻血でそう
私は自分の赤くなった顔を手で隠していると、シン君がずっと見つめてくる
そして、シン君はメニューを指さした
「この、ジャンボパフェ2人で食おうよ」
ん?これ…
『五人分って書いてるよ!?』
私は驚きすぎてシン君を凝視していると、シン君はシレっとしながら言った
「ユウは食える分だけでいいよ。
あと、俺食うから」
すごい食欲…
男の人の胃袋どうなってんの…
私はメニューに視線を落とすと、端っこに小さく
”カップル割引”
の、文字を見付けた
これって言うべきかな…?
カップルじゃないし、迷惑かな…
でも、お金少しでも安くした方が…
えーい!もう言ってしまえ!!
『シン君、カップル割引あるからこれ使おう!』
…あれ?なにこの沈黙…
恐る恐るシン君を見てみると、シン君は目を真ん丸くしてフリーズ
余計なこと言っちゃったかな…?
すると、シン君は少し頬を赤らめながら言った
「いいの?」
シン君の真面目な顔につい吹き出しながらうんうんと頷いた。
『その方が安く済むしさ!』
「そうだな!」
シン君はそう言って、ジャンボパフェを注文した。