I'll protect you.
第24章 今と昔
それにしても、成り行きとはいえシン君とこんなピンクな場所でパフェを食べてたなんて…
想像もしてなかったな…
シン君は店の看板を見て、急に笑い出した。
「こんな店入ったの初めてだわ。
絶対男だけじゃ入れねー。
ユウ、付き合ってくれてありがとな」
シン君はすごい満足気な笑顔を私に向けた
…本当は、私が大声出したから来てくれたんだよね
シン君はこうゆう店、絶対入らないもん。
本当に今も昔も
シン君はすごく優しいね
昔も
メルと遊ばせてくれたり、
家に呼んでくれたり、
些細なことでも気付いてくれて…
シン君は全然変わらないね。
強いて言うなら、昔よりも
無邪気になったかな?
知らなかったシン君の一面に嬉しさがこみ上げる
すると、シン君が私を見ていることに気付いてカァーと顔が熱くなる
シン君はブランコをこぐのをやめて私をまっすぐ見て言った。
「本当、最初は気付かなかったよ」
シン君はニッと笑うと話を続けた
「高校で初めてユウを見たとき全然わかんなかったんだ。
笑った顔とかどことなく似てるなって、ただそれだけだった。
だけど、涼太が言ってたんだ。
”どうやったら助けられるかな”って。
同じ名前で、昔のユウみたく苦しんでる”優”を見たらほっとけなかった」
シン君…
私が”ユウ”じゃなくても助けようとしてくれてたんだ
シン君の気持ちが嬉しくてうんうんとただ頷いた。
もっと気の利いた言葉を言いたかったけど何も浮かばなくて…
そんな私にシン君は優しく微笑んだ。
「ユウ、今までよく頑張ったな。
もう大丈夫だから」
”よく頑張った”
”大丈夫”
今まで誰も言ってくれなかった言葉
胸にあった鉛が取れたような気分に、蓋をしてた感情が溢れだした
私は、
この言葉が一番ほしかったんだ…
気付いた時には、私の頬から静かに涙がこぼれた