
I'll protect you.
第24章 今と昔
「ユウ」
その言葉が聞こえた瞬間、私が座っていたブランコがシン君に引き寄せられた
さっきまで少し明るかった視界が真っ暗になって何も見えない
すぐに、そこがシン君の胸の中だと気付いた。
柔軟剤のいい匂いと、シン君の心臓の音が聞こえてなぜか安心…
すると、低い声が誰もいない公園に響いた
「ユウ、もう一人で泣かないって約束して。
辛いことがあったら絶対に俺を呼んで」
私の背中にまわしていたシン君の腕に力が入った
「今まで泣きたくても泣けなかったんだろ?」
…なんで
『…どうして、わかったの?』
シン君にはそんなこと一度も言ったことないし、友達にも言ったことがなかった。
すると、シン君の大きな手が私の頭を優しく撫でた
「見てればわかるよ。
ユウは昔からそうゆう子だからね」
またしても…
鉄壁を作ってた私の気持ちを簡単に当ててくる
誰にも気付かれなかったのにシン君は気付いてくれて…
それが嬉しくて私はシン君にすがってまた泣いた
『なんで、気付いちゃうのさッ…!!
今まで…っ誰にも気付かれないようにしてたのに…!!』
シン君は、ただ頷いて私の話をずっと聞いてくれた
『ずっと…っ
みんなに会いたかった…』
