I'll protect you.
第25章 戻ってきた時間
『ごめん、お待たせ!』
私は勢いよく玄関の扉を開けた
すると、玄関の横の壁に寄り掛かって携帯をいじっていたシン君がこちらに向き直った。
「おはよ。悪いけど、コウの家寄っていい?
あいつ起きたばっか…」
シン君は呆れたように言うけれど、昔と変わらないコウキ君に私は笑いながら歩いた。
駅へと向かう途中の道のりにあるアパートの一室にシン君はチャイムも鳴らさずに扉を開けた
「コウ、あと10分で電車でちまうぞー」
そう言ってシン君は部屋の中にズカズカと入って行く
部屋の奥から聞こえてくる二人の声
「ほら!シン来たぞ!
早く制服着ろって!ネクタイは電車の中でやれ!」
「おーん」
どうしていいかわからず、玄関で待ってみんなの様子を眺める
「今日の時間割は…
お前、生物の教科書どこだよ」
「え?わかんねーや。
そこらへんにカナが投げたかなー?」
「先週の時間割は全部コウが調べてましたー。
俺のせいにしないでくださーい」
昔よりレベルアップしてる…
そんな3人のやり取りが面白くてもう我慢できない…っ
『…プッ…もうおっかしい!』
私がそう言うとカナとコウキ君がバッと私の方に勢いよく体を向けた
「「ユウ!!?」」