テキストサイズ

I'll protect you.

第26章 お兄ちゃん




『うん…うん…。』


ユウは何度も何度も涙を拭いながら頷いた。


そして、ゆっくり顔を上げて俺をまっすぐ見つめた。


『カナが今日、私を呼んだ理由はちゃんとわかってるの…。

私はちゃんとみんなに話すよ。

ここは、私の居場所だからね…!』


そう言って、泣きながらも笑顔を作るユウは、


今まで見たどのユウよりも



綺麗だった




ダメだ…。




忘れろ…。




この気持ちだけは絶対にダメなんだよ…




10年前




俺はずっとユウの”兄”でいるって決めたはずだろ






ストーリーメニュー

TOPTOPへ