I'll protect you.
第27章 過去
『……んんっ…』
ユウはゆっくり瞳を開けて周りを見渡した
「あ、起きた?」
俺がそう言うと、ユウはハッとして体を起こして時計を見た。
『ごめんね、こんな遅い時間まで!
私帰るね!』
慌てて起き上がろうとするユウ。
ここで帰したら、カナになんて言われるか……
考えただけでゾッとする……
それに、今日はやっぱりユウを一人にはしたくない
「ユウ。今日は泊まりなよ」
『……え?』
ユウは俺を見て固まって動かない
あ……やべ……
絶対誤解されてる……
「何もしないから安心して!
ただ、今日は一人になりたくないんじゃないかなって…思って……」
俺は、手を顔の前で振ったり、いかにも焦ってるの丸分かり……
カッコ悪いな俺……
もっとスマートにカッコイイことを言えたらいいのに……
超絶後悔中の俺にユウは口をパクパクさせながら何か言いたげだった
「え、どしたの?」
『ととと泊まっていいの!?』
「ユウが良ければ俺は嬉しいけど……」
ん…?
俺今なんつった?
”俺は嬉しい”
マズい……何言ってんだよ俺は……
そんな俺にユウは少し頬を赤らめながら
『ありがと……』
って、言ったんだ……