
I'll protect you.
第28章 いつもずっと
私はシン君の家に泊めてもらったお礼にと、いつもお昼ご飯にパンを買っていたシン君にお弁当を作ることにした。
「……ねぇ、本当にいいの?」
卵焼きを作る私に、後ろから申し訳なさそうに眉を下げているシン君
『いいの!
ちゃんとしたもの食べないとダメだよ!
シン君、栄養バランス偏りすぎなんだから』
──でも……と言うシン君を無視してお弁当を作る。
そうだ!
シン君だけじゃなくて、カナとコウキ君の分も作ってあげよう!
お弁当箱が一つしかなかったので、空いているタッパーにおかずを詰めてシン君の鞄の上に置いた。
ふとシン君を見ると、鏡の前で髪型をセット中
ふわふわした茶髪の髪が無造作にセットされて、
ちゃんとセットされているのに派手じゃない
髪をクルクルと指で摘んでいる姿がまた絵になるくらいカッコよくて……
思わずポカーンと口を開けて見惚れてしまう始末……
「…もう作り終わったの?」
手で髪をいじりながら目線は私をしっかりロックオンしながらシン君は優しく微笑んだ
私は座っているシン君の後ろに立って鏡越しで会話をする。
『終わったよ。
みんなの分も作ったからみんなで仲良く食べてね』
私がそう言うと、シン君は大きく目を見開いた
「マジ!?2人とも喜んで飛び跳ねるだろうな」
なんか……
シン君、前よりよく笑うようになった……?
シン君が私に無邪気な笑顔を向ける度に、
もしかしたら……
なんて淡い期待をしてる自分がいて……
でも、そんなはずないって思う私もいて……
なんとも言えないモヤモヤとした気持ちがとぐろ巻いて苦しくなる
……シン君は私といていいの?
