I'll protect you.
第29章 GW
「……こりゃぁ、驚いた…」
頬杖をついていた心は、私の発言が相当意外だったらしく、姿勢を直して私にしっかり向き直った
なんで?と言わんばかりに私に目で訴えてくる心
そんな心に答えるように私はゆっくり口を開いた
『本当の気持ちを殺してほしくないからよ…』
「でも、あいつは…『わかってる』
『ちゃんと私を想ってくれていたこともちゃんとわかってるの。
光輝と過ごした2年間は私にとっても光輝にとっても充実したものだった。
今の光輝にも不満なんてないよ。』
「じゃあ、なんで……」
自分の事でもないのに、切なそうに辛そうに私を見つめる心
心は優しいね……
だからみんなあなたを慕うのね……
困った表情をする心に私は優しく微笑んでみせた
『行く宛のない想いが光輝にはあるの。
気付かないフリをして、その想いを否定する言い訳を考えて生きてきたの…
この2年間で、埋まったと思ってた穴は今の私には埋められない。
ちゃんと、その想いと決着をつけてほしい……』