
I'll protect you.
第31章 近い⇔遠い
「ユウも知ってる人だよ」
私が知ってる人……?
コウキ君とその人……
コウキ君のことが好きな人!?
『みらいちゃん!?』
「うん」
うんって、嘘でしょ!?
私は驚きを隠せず両手で口を覆った
みらいちゃん、10年以上もコウキ君を想い続けてたなんて……
実ってよかったと思う気持ちと、”元彼女”のワードが私の頭で葛藤していた
『あの……コウキ君……
みらいちゃんとは……?』
コウキ君は掌をグーパーしながら少しずつ話してくれた
「GWに別れたよ。
別れるって言われた時、最初はなんでって思ってしばら落ち込んだんだ。
何がいけなかったのかなとか、
やりなおす方法はないか、とかね。
でも、そうじゃないんだ。
未来の好きと、俺の好きが同じ場所にはなかった。
ただ、それだけ」
全てを打ち明けたコウキ君の表情は、一点の曇もなくとても清々しかった
「俺はこれでよかったと思ってる!
後悔はしてない!」
なんでかな……
少しだけコウキ君が大人びて見えたんだ
