
I'll protect you.
第33章 10年越しの想い
しばらくして、シン君が私と体を離して目を逸らした
……汚いから私を見てくれないんだ
私は汚れてしまっているから……
そんなこと思うとまた胸が裂かれるような感覚に襲われた
離れたくない
捨てられたくない
シン君にだけは……
私は離れたシン君にまたすがりつく様にシン君の首に腕を回した
そんな私にシン君は安心させるようにまた優しく抱きしめ返した後、頭を優しく撫でてくれた
「ユウ……目のやり場に困るから……」
シン君の言葉に私はハッとして慌てて服装を整えた
それでも、私はさっきの現場を見ていたシン君の目を見ることが出来なかった
「ここたまに美術の先生が通るから場所移動しよう。
ユウ、立てる?」
シン君は私の手をしっかり握って私を立たせてくれたけど……
『……ごめんなさい
腰抜けちゃったみたい……』
立っているのがやっとで足がプルプルと震えていた
するとシン君は私の腕をシン君の首の方にグイッと引っ張られ、その瞬間に私の体が浮いた
『シン君いいよ!重たいでしょ!?』
「は?ユウはもっと食え。
軽すぎてビビるわ」
シン君の背はとても高くていつもと違う高さから見る風景はとても新鮮で。
シン君の首に腕をまわして、肩に顔をうずめてみるとシン君の匂いがして……
ずっとこのままいたい……
