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I'll protect you.

第33章 10年越しの想い





「……は?」




『シン君が優しくするから……ッ!!


どうしたらいいのかわかんないよッ…!』




好きなら……



相手の幸せを願うって当たり前なこと……



私にはできそうにないんだもん




『シン君が他の人のこと好きなのが嫌なのよ…っ…


守ってくれるなら私だけ守ってよっ…!


優しくするなら私だけに優しくしてよ……!!』




シン君を見るとボロボロと涙が溢れてきてシン君の表情が良く見えない



シン君は誰にでも優しい人



そんなのわかってる



そこに惹かれたんだもん



だけど……



私だけを見て欲しい





『シン君の一番に…んっ─────





その瞬間、




頭が真っ白になった





目を開けるとシン君の綺麗な顔が目の前にあって、私の唇を優しく塞いで、すぐに離れた




……今のは…





キス……だよね










シン君は私の腕を掴んで真剣な目で私を見た



吸い込まれそうなほど綺麗な深い青の瞳に私は言葉を呑んだ








「俺が好きなのは、


”優”


お前だよ…


10年間、ずっと優が好きだった」




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