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｢シンちょっとユウとあれ乗ってこいよ～｣



カナは懲りずにメリーゴーランドを指さしてシン君を乗らせようとする。



｢……優、乗ろうか♡｣



『はい!?シン君それ本気で言ってる!?』



シン君は私の手を引いてメリーゴーランドへと歩き出した。



｢カナとコウ！

写真よろしくー！｣



｢｢りょーかい！！｣｣


カナとコウキ君はカメラを持ってメリーゴーランドの周りにスタンバイ。



私達は、親子が多く並んでいる中ひたすら自分たちの番になるまで待つ。



そんな時、私のスカートが引っ張られる感触が……



不思議に思って下を向くと小さな手が私のスカートを掴んでいた。




『あいの王子様だよぉ！！』



……なんの話！？


サラサラの長い髪を可愛く二つ結び


クリクリとした大きな目で私を見上げてくる女の子




『……どうしたの？

王子様？』



私は女の子の目線に合わせてしゃがむとその子は私の腕をガシッと掴んでくる



『あいの王子様なの！！』



｢優？具合でも悪いのか……？

って……どうしたのこの子……？｣



シン君が私の背後から顔をひょこっと出してその子を見つめる



すると、その子はシン君の足に絡み付いた



『あいの王子様！！』



『｢え…｣』



この子は何なの！？