I'll protect you.
第37章 独占欲
母さんを見送るために、スリッパを履いて玄関の扉を開けると、階段を上がってくる2人
「お!シン!
ちょうどいい時に出てきたな!」
「……学校は?」
「サボった!!」
まだ午前中なのにここにいるってことは、それしかないよな……
『あらあら!コウちゃんにユウちゃん!
いらっしゃい!帰る前に会えて嬉しいわ♪』
母さんは二人に駆け寄って肩や腕を摩った。
「お母さん帰っちゃうんですか!?」
『今帰るところなのよ〜』
「お母さん一人で行くんですか?」
コウは俺をチラッと見て、納得したように頷いた。
「シンは自宅謹慎だから外出られないんですもんね。
お母さん一人でその荷物は重いんで、
俺が見送りついでに荷物持ちますよ!」
母さんが持っていた鞄をコウが半ば強引に奪うとコウはニコニコしながら母さんを誘導した。
『あら、悪いわねコウちゃん
シンとユウちゃん
たまには帰ってきなさいね?』
『はい!絶対行きます!』
「わかったよ。
コウ悪いけど母さんのこと頼む」
「りょーかいしましたー」
去っていく母さんとコウを見えなくなるまで見送って、俺と優は肩を並べて家の中へと入った。