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ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

あたしは駅のホームにある椅子に座ったまま、動けずにいた。

何だろ…あたし。

そんなに友喜が他の女の人と一緒なのがショックなの?

何で?

友喜なんて、向こうが告ってきたから付き合っただけ。

なのにレイプまがいな事した酷い奴なんだから!!

好きで付き合った訳じゃないし。

何でショックうけてんのよ!!

自分の中で出ない答えを探していると、スマホに着信が入った。

急いで相手を確認して…少しがっかりしながらもホッとして…。

「あ、祐香?今話してて平気?」

「うん。へーきだよ。恵実、どうかしたの?」

「ん…芽生から電話もらった」

あ…なるほど。

「へーきだよ、あたし。ちょっとびっくりしたけど…」

「祐香?」

「友喜がどこで誰と何しててもあたしが気にすることはないんだし」

あれ!?おかしいなぁ…

「祐香?泣いてんの!?声おかしいよ!?」

「恵実、あたし、何か変だ」

さっきから涙が止まらない。泣くほどの事じゃないって分かってるのに…何で?

「ちょっと…あんた今どこにいるの!?」

焦った恵実の声に、ほんの少し笑みを浮かべた。



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