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ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

恵実と芽生が心配して集まってくれて。

あたしたちは今、居酒屋にいる。

「まったく…死にそうな声してたから何かと思ったら、そんな事か」

芽生から事の顛末を聞いた恵実がレモンサワーを飲みながら呆れてる。

「だって…ある意味、裏切りじゃない!?」

「一緒に買い物してただけかもよ?」

「だとしても、バイト行くって嘘つかなくてもいいんじゃないかなぁ」

「うーん…何か訳があるかもしれないけどね」

二人で盛り上がってるなか、あたしは一人ずっと飲み続けてた。

「んで?祐香はどうするの?」

恵実の問いに、あたしは口元を歪ませると

「何か…よく分からなくなっちゃった…」

「はぁ!?」

「どうして!!」

「だって全然楽しくないんだもん」

友喜に下僕宣言したあの日から、あたし、友喜といても怒ったり友喜を困らせてばかりで…楽しくて笑ったこと、ないんだもん。

「こんな風に続くなら、別れた方がいいのかも…」

「ちょっと待って!!あのね、実は」

何か言いかけた芽生を恵実が制する。

「それ、本気?」

「だって…お互いその方がいいんじゃないかって…」

「だったら明日、合コンやるからおいで」

突然の誘いに、あたしは二の句が告げられなかった。

「恵実ちゃん!?」

芽生も驚いて恵実を見てる。

「合コンで良さげな人がいたら乗り換えてもいいじゃん!?ま、やっぱ友喜くんがいいって思うかもしれないからそこは自由で」

「だ、だけど、明日はもう友喜と約束してるし…」

「待ち合わせ、何時なの?」

「…友喜のバイト上がりで…7時」

「私たち5時からだからちょうどいいじゃん?気晴らしも兼ねて、ね!?」

恵実の押しの強さに思わず頷いてしまった。

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