テキストサイズ

ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

12月24日、夕方

恵実と待ち合わせして、あたしは合コンに参加することになった。

「友喜くんに言ったの?」

「…言えなかった」

昨日電話したけど。

あまりにも楽しみにしてる感を出してる友喜に、何も言えなかった。

「…だから、待ち合わせまでに帰るからね!!」

「オッケー。了解しました」

恵実はふっと笑うと、会場のお店に入った。



合コンは至って普通に始まった。

簡単に全員の自己紹介なんかして、料理が運ばれてきてからは普通の飲み会になって、何となく近くの席の人と話して。

「しっかしイブによくもこんなに人が集まったよな」

「イブだから一人だと寂しいからじゃないですか?」

「へぇ…祐香ちゃんも寂しいの?」

「あたしは…。松井さんは違うんですか?」

「俺は寂しくはないけど、いろんな人と知り合いたいから、かな」

「はぁ…」

何だろ。何か好きになれない感じだな。

恵実を探すけど、幹事なのか奥で何かしてて姿が見えない。

「祐香ちゃんが寂しいなら、付き合っちゃうけど?」

「え!?」

あたしが驚いて振り向いたとき、恵実と見知らぬ男の人が奥から出てきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ