テキストサイズ

ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

「はいはーい。もうそろそろゲームを始めたいと思いまーす!!」

男の人が声をかけたのを合図に、男女別のくじが入った箱が回される。

「はい、じゃ皆引いたところで。番号呼ばれた人でペアになってゲームしま~す」

恵実が手元にあるカードを引いて、番号を読み上げる。

呼ばれた人たちでゲームが始まって…

抱き合って風船割れだとか、いろんな指令がある中で、ついにあたしの番号が呼ばれた。

「わぉ、俺の相手、祐香ちゃんか。よろしくね」

「はぁ…」

何で松井さんなのかなぁ…。恵実ちゃん恨むよ。

軽く恵実を睨むと、あたしの視線に気付いてか手を振って笑ってる。

「じゃこのカップルは…ポッキーゲームです。定番中の定番ですね~」

指令カードをめくり、司会の人が言った。

「ジャンケンで勝った人がポッキーくわえて、負けた人が食べ進んで下さい」

松井さんとジャンケンして、あたしが勝ったものの。

「はい、じゃ唇に付いちゃうからチョコついてない方くわえて」

そう言ってポッキー渡された。

「松井、ギリギリでちゃんと止めろよ~」

「祐香ちゃん、ヤバくなったら逃げて」

ヤジが飛ぶなか、松井さんがニヤッと笑って

「ま、事故はあるからね」

なんて意味深な事を言っている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ