ショートラブストーリー
第6章 祐香(ゆか)
「本当に止めてくださいよ?」
小さな声で牽制をかけたけど
「ま、ゲームなんだし。気楽にやろうよ」
軽く返されてしまった。
「はい、じゃスタート!!」
ポッキーくわえて待ってると、松井さんが軽く首を傾げて、まるでキスするみたいな体制で端を食べはじめた。
近づくにつれ、あたしの肩に手が回り、回りからはやし立てる声がおきて…
やっぱやだ!!
あたしは口をあけてポッキーを離すと、松井さんの胸を押した。
「はい、そこまで!!」
恵実が残ったポッキーを手に取り、長さを測ってる。
「祐香ちゃん、そんなに早く拒絶しなくても」
松井さんが苦笑いを浮かべて話しかけてくる。
だけどあたしは荷物を抱えると、恵実に声をかけた。
「ごめん、もう帰るね」
「祐香…ごめん。怒ってる?」
恵実に、あたしは笑って首を振った。
「今日はありがとう。…なんか、吹っ切れた」
「そう…?気をつけてね」
「うん!!」
あたしはコートを羽織ると、お店から飛び出した。
腕時計を見ると、もうすぐ六時半になる。
イブで盛り上っている人混みの中を、最寄り駅まで走り続けた。
店では、松井と恵実が話していた。
「何か俺、完全に当て馬じゃない!?」
「そうよ。そうなるように役作りしてもらったんだから当然でしょ」
ふふっと笑う恵実に、松井は軽くため息をつく。
「だからって彼氏にそういう役ふるかね」
「弘之ならうまく立ち回ってくれるって知ってるから。実際、見事に祐香に嫌われたでしょ?」
「それは喜ぶべき、なのか?」
「喜ぶべきよ。人の役に立ったんだから」
小さな声で牽制をかけたけど
「ま、ゲームなんだし。気楽にやろうよ」
軽く返されてしまった。
「はい、じゃスタート!!」
ポッキーくわえて待ってると、松井さんが軽く首を傾げて、まるでキスするみたいな体制で端を食べはじめた。
近づくにつれ、あたしの肩に手が回り、回りからはやし立てる声がおきて…
やっぱやだ!!
あたしは口をあけてポッキーを離すと、松井さんの胸を押した。
「はい、そこまで!!」
恵実が残ったポッキーを手に取り、長さを測ってる。
「祐香ちゃん、そんなに早く拒絶しなくても」
松井さんが苦笑いを浮かべて話しかけてくる。
だけどあたしは荷物を抱えると、恵実に声をかけた。
「ごめん、もう帰るね」
「祐香…ごめん。怒ってる?」
恵実に、あたしは笑って首を振った。
「今日はありがとう。…なんか、吹っ切れた」
「そう…?気をつけてね」
「うん!!」
あたしはコートを羽織ると、お店から飛び出した。
腕時計を見ると、もうすぐ六時半になる。
イブで盛り上っている人混みの中を、最寄り駅まで走り続けた。
店では、松井と恵実が話していた。
「何か俺、完全に当て馬じゃない!?」
「そうよ。そうなるように役作りしてもらったんだから当然でしょ」
ふふっと笑う恵実に、松井は軽くため息をつく。
「だからって彼氏にそういう役ふるかね」
「弘之ならうまく立ち回ってくれるって知ってるから。実際、見事に祐香に嫌われたでしょ?」
「それは喜ぶべき、なのか?」
「喜ぶべきよ。人の役に立ったんだから」