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ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

電車の中でふと窓を見ると、雪が降り始めていた。

周りの乗客からホワイトクリスマスなんてロマンチックよね、なんて声が聞こえてきた。

時計を見ると、6時50分。

うん、ギリギリ間に合いそう。

友喜に会ったらどうしても言いたいことがあって…。

どうやって切り出そうか、あたしはずっと考えていた。




待ち合わせ場所に着くと。

「ちょっと…友喜!」

雪の降りしきるなか、傘も差さずに待っていた友喜にあたしは焦った。

「あ、祐香ちゃん」

あたしを見て笑顔になる友喜。

あたしは友喜の服や頭に積もった雪を払いながら声を荒げた。

「何してんの!?雪まみれになってる!!」

「あはは…まさか雪が降るとは思わなかった。傘持ってくれば良かったね」

「傘ぐらい、コンビニかどっかで買えば良かったのに!!」

「ん~、でも行き違いになったら嫌だから」

「だからって…」

あたしが唇を尖らせると、友喜は慌てて

「あ、でもそんなに寒くなかったし、雪降ってるのって楽しいし」

鼻の頭を真っ赤にして、なんでそんな強がり言うんだろ。

「もういいから!!どっかお店入ろ!?」

友喜の手を引っ張ろうとして、その手の冷たさにびっくりした。

「あ…ごめん。俺、冷え性なのかなぁ」

笑いながら謝るけど…冷え性のレベルじゃないよ。

「祐香ちゃんお腹すいた?何が食べたい?」

「何でもいいから!行くよ!?」

あたしは友喜の手を引いて歩き出した。

とにかくどこか暖まれて、ご飯も食べれて、出来れば静かな所、ないかな…。

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