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ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

「今日、雪が降って良かったな」

「何で!?…ホワイトクリスマスってそんなにいいもの?」

寒いし雪まみれになるし、いい事なかったのに。

「雪のおかげで祐香ちゃんが優しいし」

「…」

「あ、別にいつもがどうのって話じゃなくて!!」

慌てて説明してるけど、弁明になってないから、それ。

「雪まみれの俺の服叩いたり…祐香ちゃんの手も濡れちゃうのに。そういうとこ、優しいなぁって」

「違っ…一緒に歩くのに、雪まみれじゃ恥ずかしいからよ!!」

何だか妙に照れくさくて悪態ついてしまう。

「それに、今だって俺のためにここに入ってくれたし。おかげで風邪引かずに済みそう。祐香ちゃんありがとう」

「…それは良かったわね」

友喜の視線が恥ずかしくて、あたしはプイッと顔をそむけた。

しばらくお互い無言でコーヒーを飲む。

カップを持つ指先がほんのり温まってきた頃、友喜がぽつりと話し始めた。

「祐香ちゃん。祐香ちゃんは俺と初めて会ったときの事、覚えてる?」

「え…?告白してきた時じゃなくて?」

「ん…。あの日も、雨混じりの雪が降ってたなぁ…」

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