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ショートラブストーリー

第7章 高橋②

通話を終えて、俺は車のシートに凭れかかった。

相変わらず可愛い声だなぁ。

目を閉じて顔を思い浮かべる。

会えないならせめて声が聞きたくて電話するのに、声じゃ満足できなくて…余計に会いたくなるのは何でなんだろうな。

「せつないねぇ…」

そういえばアイツの事、聞けなかったな。

今度会ったときに思い出したら聞いてみるか?

でも、多分。

会ったらそんな事どーでもよくなるんだろうな。

自分で自分の言動を想像して苦笑を浮かべる。

「ほんとに俺、どんだけだよ」

どれくらい惚れてんだ…って、自分でも呆れるくらいだ。

「…んじゃ、帰りますか」

エンジンかけてシフトレバーに手をかけた時、着信音が響いた。

画面を見て、思わず声を上げる。

「…真由美ちゃん…?」

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