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ショートラブストーリー

第8章 美帆(みほ)①

バタン、と音をたてて閉じられたドアを見て、あたしはただ立ち尽くすだけだった。

しばらくして…怒りがわいてきた。

「何なのよ!!」

突然人の気持ち探るような事してきて、最終的には貶された気がする。

倉田さんってあんな人だっけ!?

同じ部署だけど課が違うから、直接話したことは少なくて…でも。

「もっといい人だと思ってたのに!!」

ボタン付けてなんかやらなきゃ良かった!!

昼休み潰れちゃったじゃん!!

『昼休みの貴重な時間に悪いな』

不意に倉田さんとの会話を思い出した。

『本気で好きなら、まずは仕事頑張って課長に認めてもらえ』

…悪い人じゃ…ないんだよね。

ただ…口は悪い。とてつもなく、悪い!!

『見限られん程度に頑張れよ』

見限られる…って、誰に?

課長に!?

「そんなの…ない」

そんな事、あり得ない!!

「無理かどうか…やってやろうじゃない!!」

あたしはソーイングセットを握りしめると、ミーティングルームから出ていった。

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