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ショートラブストーリー

第8章 美帆(みほ)①

「どーしよーもねぇな、お前」

あきれたような口調で責められ、思わずカッとなった。

「倉田さんがぐちゃぐちゃにしたせいでしょ!?」

「頭の話じゃねぇよ。あぁ…アタマの話か?」

「はい!?」

意味がわからず聞き返してしまうと、

「外じゃなく、中の話。…お前さ、俺がパス出したのにスルーするって、アタマぬけてんだろ!?」

パス!?スルー!?何の事だ!?

「あの流れなら、自分アピール出来ただろうが」

「……はぁ!?」

「せっかく協力してやろうってのに、肝心のお前がそんなでどうすんだよ」

待って…ちょっと待て!!

「まさか…今のが後押し…?」

「何だよ!?分かってなかったのか?」

心底あきれてるその顔に、カチンときたあたしは

「当然でしょ!!」

倉田さんをキッと睨み付けた。

「今の全然後押しになってないじゃないですか!?今の話の流れでアピれって絶対無理!!それにアピれったって、あの状況で何で言うんですか!?課長が理想のタイプなんですって?言ったところで信じるわけないでしょ!?大体…」

思いのままに文句をぶつけてると、倉田さんが近づいてきた。

間合いを詰められたくなくて、じりじりと後ずさりしてく…けど、背中が壁にぶつかった。

まずい。

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