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ショートラブストーリー

第9章 貴史

その後、

「たかちゃん、お待たせ」

と言いながら降りてきた美夜子に案内されて、美夜子の部屋に入った。

「お、珍しく片付いてる」

「ひどっ!!いつもこんなだよ!?」

「そうかぁ?おばさんと今片付けてんのかって話してたんだ」

「もう!!着替えてくるからって言ったでしょ!?」

唇尖らせて不満そうな顔をすると

「どう?可愛くない!?」

と、両腕を広げて着ている服をアピールしてきた。

部屋着…なんだろうけど。だぼっとしたトップスに…何でショートパンツ?

「それ、寒くない?」

俺の一言に、眉根を寄せた。

「可愛いか聞いてんのに!!」

「はいはい、可愛い可愛い」

「もうっ!!」

ふくれっ顔の美夜子の横を通って、ガラステーブルの前に座った。

「ほら、やるんだろ。こっち来て座れよ」

「…はーい…」

渋々といった感じでテーブルを挟んで俺の前に座った。

「んで?物理だったよな」

鞄を開けて、教科書出そうとして。

さっき貰ったクッキーが一番上に乗っていた。

「美夜子、クッキー好きか?」

「うん。何で?」

俺がクッキーを差し出すと、受け取りつつも怪訝そうな顔をされた。

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