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ショートラブストーリー

第9章 貴史

両手を後ろで付いて上体を支えて、片足を俺に預けてる姿で怒られても。

こいつ、今自分がものすごく無防備な格好だって気付いてないんだろうな。

「確かに張ってんな」

「でしょ!?」

自慢げに答える美夜子に、イタズラ心が沸いた。

すっと肌を撫で上げて、内腿に手を置くと

「こっちは…あ、柔らかい」

指先で軽く押す。ほんとにやーらかい。

「ひゃあっ!!たかちゃん!?」

「触り心地いいな。スベスベで柔らけぇ~」

「あ、ダメぇ…」

すっと離れた俺に、美夜子がえ?と声をあげた。

「おい、宿題やるぞ」

「へ!?たかちゃん!?」

「『駄目』なんだろ?」

俺がにやにや笑うと、美夜子が赤くなって

「駄目っていうか…違うけど、でも…」

と、ぶつぶつ言ってる。

「おい、やるのかやらねぇのか、どっちだよ」

「やる!!します!!」

そう言って、俺の横に座った。

「こっちの方が訊きやすいから。いいでしょ?」

「はいはい」

美夜子の肌の感触がまだ手の中に残ってる。

ふうっと息を吐いて、手を握りしめることでさっきの感触を消した。

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