テキストサイズ

ショートラブストーリー

第2章 高橋

「高橋くん、三番に抹茶ラテワンね」

「はい、了解っす」

フロア担当の喜美子さんからオーダー受けて、保温棚からラテ用のカップを出す。

最近ラテアートを練習しだしてから、店内でラテ注文が入ると気分がアガる。

いつか客に出して驚いてる表情が見たいけど…今はまだ練習するのみ。

それでもいつかこれに描けるかも、って思えば、ただのラテでも作り甲斐がある。

「お待たせしました。抹茶ラテです」

三番テーブルにサーブして、ちらっと客を見る。

「ありがとうございます」

俺をみてにっこり笑う客。…あれ?この子…

カウンターに戻ってからも、三番テーブルの女の子を見ては首をひねった。

何か見覚えあるんだけど…誰だっけ?

喜美子さんが戻ってきたので、小声で話しかける。

「喜美子さん。三番の子って知ってる?」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ