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ショートラブストーリー

第2章 高橋

喜美子さんは三番を見て、あぁ、と呟いて

「あの子ここのところ毎日来てるよね。毎回ラテメニューで」

「あ…それでか」

ラテに関しては自分でサーブしてるからな。見覚えあったわけだ。

「もうラテメニュー全制覇した位じゃない?高橋くんのお得意様だよ」

「へぇ…」

今日のは気に入ってくれるかな。

彼女の表情を窺ってると、一口飲んで顔をしかめた。

え!?何で!?

息を吹き掛け一口飲んでまた息を吹き掛け…かなりの猫舌?

やっと自分の好みの熱さになったのか、一口飲んでふうっと息をつくと、ふふっと微笑んだ。

あ、いい表情。

あの表情を引き出したのが俺の入れたラテなんだよな…なんて傲ってるな、俺。

自分の思いに苦笑して…でも気持ちは温かくなった。


あの子―真由美ちゃん―が心の片隅に留まったのはこの時かもしれない。


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