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ショートラブストーリー

第10章 美帆②

「はぁ…」

自分の部屋で。

買ってきたチョコを見ながら、何度目かのため息をついた。

明日は14日…バレンタインだ。

直接告白する勇気はなかなか湧かず…悔しいけど倉田さんの助言に乗っかる形になりそうで…

もう一度ため息をつく。

課長は…このチョコをもらって、どう思うんだろ。

ただの部下としか思ってなかったら…迷惑…じゃないかな…。

いっそのこと、渡さずに終わろうか。

…あぁ、でも倉田さんが何言うか分かんないしなぁ…。

机に突っ伏して、目を閉じた。

………倉田さんは、カード入りのチョコもらってどう思ったんだろ。

人に薦めるくらいだから好印象だったんだよね。

その人と…付き合ったのかな…。

え!?

目を開くと、ガバッと起き上がった。

何、今の。

別にあたしが気にすることじゃないし!!

今あたしが気にしなきゃならないのは、メッセージカードに何て書くか、でしょ?

頭を振って考えを追い払うと、カードを睨み付けた。

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