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ショートラブストーリー

第2章 高橋

そんな成り行きで、ここ一週間毎日残業になってしまった。

最初は『手伝うよ』なんて言ってくれた同僚も、何日か目には『お先~』なんてさっさと帰る始末。

まあ片付けさえ済めば練習出来るからいいんだけど…でも。

今日、俺の意識は別の所にあって、練習もうまくいかなかった。

真由美ちゃん、最近来ないな…。

仕事帰りに寄ってたから、平日しか会えないのは当然なんだけどさ…それでも何日来てないんだ?

壁に張ったカレンダーを見て指折り数えて…中指を曲げたところで窓の外の人影に気付いた。

「ん?誰だ?」

窓に近付きカーテンの隙間から覗くと…心臓がドクンと大きな音をたてた。

「…真由美ちゃん?」

俺の声が聞こえたのか、真由美ちゃんは顔を上げてこっちを見た。

「高橋さ…ん」

「やっぱり真由美ちゃんだ。最近来てくれないからどうしたのかなって思ってたんだ」

まさか指折り数えてた途中だなんて言えるわけなく、なるべく普通を装ってしまう。

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