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ショートラブストーリー

第10章 美帆②

「んっ…ふ…っ!!」

顔を背けようにも、肩と顎を押さえられていて動くことが出来ない。

かろうじて動く手で、倉田さんの腕を叩く。

でも。

あたしの抗議を完全無視して、下唇を甘噛みしながらのキスが続いた。

息苦しくてわずかに開いた唇から、倉田さんの舌が入ってきた。

「やっ…!!ん…っ」

歯列をなぞり、あたしの舌に触れると、絡ませて吸い上げられる。

ディープキスなら昨日課長としたのに。

何で!?

電気が走ってくみたいにビリビリする。

「んっ…っ!!」

体がふわふわして倒れてしまいそうで。

いつしか倉田さんの袖をぎゅっと握りしめていた。

「ぅん……ん…」

倉田さんがあたしの腰に手を回し、自分の方へ引き寄せた。

髪を撫でられ、指先で耳をくすぐられて。

そうしながらも、角度を変えながらキスが続いていく。

去年の『黙らせるためにした』のとは全然違うキス。

唇が離れた時、思わずふらついたあたしを

「おっと!!」

と、抱き留めて、倉田さんがクッ…と笑った。



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