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ショートラブストーリー

第10章 美帆②

「そんな顔しちゃって…そんなに気持ち良かった?」

え!?

倉田さんの言葉に、ハッと我にかえる。

あ、あたし。

倉田さんの胸に、ごく自然にもたれ掛かってる!!

慌てて体勢を直して、

「そっ…そんな事ないです!!」

否定してみせるけど、倉田さんはにやにや笑いを浮かべたままだ。

「お望みならこの先もしてやるけど?」

「先、って…」

警戒したあたしの耳元で

「『初めて』、もらってやろうか?」

と囁いて、ふうっと息で耳をくすぐられる。

「ひゃぁっ!!」

真っ赤になりながら耳を押さえて倉田さんを見返した。

「いいです!!結構です!!」

「『いいです』も『結構です』も、肯定とも否定ともとれるよな」

「否定です!!完全否定ですから!!」

全力で首を横に振るあたしの反応を見て、すっごく笑ってる。

…完璧にからかわれてる、よね。


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