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ショートラブストーリー

第11章 美帆③

宴会場を出て、店員に熱燗を注文して…。

ふうっ、と大きく息をついた。

そうか。向こうで課長を好きになる人が現れてもおかしくないんだよね。

課長が誰かを好きになる可能性だって、ない訳じゃない。

もう一度ため息ついて。

あーっ!!もう、駄目!!気分戻さなきゃ!!

取り合えずトイレに行って、鏡を見る。

化粧、そんなに崩れてない。

髪型も…うん、問題ない。

ちょっとだけ毛先の流れを整えて、鏡の中の自分に笑いかけた。

これでもう暫く会えないんだから。

今日一日は笑顔で、悔いなく!!

…うん。大丈夫。

暗示をかけて気合い入れて。

トイレから外に出ると、

「相変わらずトイレの住人かよ」

「倉田さん!?」

うわ!!何で居るんですか!?

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