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ショートラブストーリー

第11章 美帆③

「見張ってたんですか!?」

「お前バカか!?出張帰りで今来たんだってーの!!」

あ。そういえば倉田さん遅くなるって話だっけ。

「それは…お疲れ様です」

「はいはい」

素っ気ない言い方で返事を返されると、

「ところで決断出来たのか?」

キョトンとしたあたしに、うんざりしたように眉を寄せると

「二者択一。どっちかしかないって言ったろ!?」

あぁ、課長の話か。

倉田さんの話って、主語がないって言うか…分かりにくいんだよね…。

「うん。…ですね」

あたしは一つ息をはくと、笑顔を作って

「諦められません。やっぱり…好きですから」

「よし、言ったな」

あたしの言葉に、倉田さんはにやっと笑い、

「分かった。…覚悟しとけよ」

「え!?何を!?」

あたしの問いに答えず、宴会場へ向かう倉田さんを追いかけようとしたら

「あ、お前もうちょっと後から来いよ。勘ぐられんの、めんどい」

「…はーい」

倉田さん、モテますもんね。

あたしだって騒動に巻き込まれるのはごめんです。

それにしても、相変わらず訳分かんない人だなぁ。

覚悟、って何よ。

…何か、嫌な予感しかしないんだけど…。

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